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(Amazon.co.jp 解説)
本書は、フランス文学者にしてエッセイストでもある鹿島茂が、さまざまな文庫本のために書いた「解説」36本を集めたものだ。

鹿島茂は、「解説には解説なりの文法というものがあり、それは書評の文法とも批評のそれとも異なるもの」と認識している。あるいは、「日本独特の文学的制度である」とも。そして、彼自身が考えている解説とは何かを、箇条書きにまとめている。たとえば、こんなふうに。
「解説はオードブルであると同時にデザートでなければならない」
「解説は、著者を勇気づけて気持ちよくさせ、なおかつ読者をおもしろがらせる必要がある」

そんな鹿島のことだから、彼が書く解説文は一筋縄ではいかないおもしろさをはらんでいる。たとえば、東海林さだおの漫画には、「解説無用」という解説を書き、中里介山の『大菩薩峠』では、この物語の真の悪党は誰かを探り当ててみせる。森茉莉全集の月報では、なぜ彼女が、「レーンコート」ではなく「レエンコオト」、「生クリーム」ではなく「生クリイム」、という横文字表記を使うのかという謎に挑む。三島由紀夫『幸福号出帆』では、19世紀フランス文学との因果関係を説き、そのついでに小説の書き方まで指南してくれているのだ。そして、忘れてはならないのは、この本が36冊のブックガイドになっていることであり、さらには鹿島流の読書案内にもなっていることだ。
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le mercredi 25 juin 2003