Verbe Pronominal
フランス語には、lever「起こす」という動詞があっても、「起きる」にあたる動詞はありません。そこで、補語人称代名詞を使って、se lever「自分を起こす」という形をつくります。
このように、補語人称代名詞が動詞に直結し、肯定命令法以外では動詞の直前に置かれているものを「代名動詞」といい、主語代名詞と同時に補語代名詞が人称によって変化します。 ただし、3人称に限り、単数・複数共に se ( s’) という形を用います。代名動詞の複合過去の助動詞は être を用います。 |
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代名動詞(不定法)をつくる | 人称による変化 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
lever ルヴェ 「起こす」 |
→ | se lever スルヴェ 「起きる」 |
Je me lève. ジュムレーヴ. |
わたしは起きる。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Tu te lèves. テュトゥレーヴ. |
きみは起きる。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Il se lève. イルスレーヴ. Elle se lève. エルスレーヴ. |
彼は起きる。 彼女は起きる。 |
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Nous nous levons. ヌーヌールヴォン. |
わたしたちは起きる。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Vous vous levez. ヴーヴールヴェ. |
あなたは起きる。 あなたがたは起きる。 きみたちは起きる。 |
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Ils se lèvent. イルスレーヴ. Elles se lèvent. エルスレーヴ. |
彼らは起きる。 彼女らは起きる。 |
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appeler アプレ 「呼ぶ」 |
→ | s’appeler サプレ 「自分を・・・と呼ぶ」 |
Je m’appelle ~. ジュマペル ~. |
わたしは~と呼ばれる。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Tu t’appelles ~. テュタペル ~. |
きみは~と呼ばれる。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Il s’appelle ~. イルサペル ~. Elle s’appelle ~. エルサペル ~. |
彼は~と呼ばれる。 彼女は~と呼ばれる。 |
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Nous nous appelons ~. ヌーヌーザプロン ~. |
わたしたちは~と呼ばれる。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Vous vous appelez ~. ヴーヴーザプレ ~. |
あなたは~と呼ばれる。 あなたがたは~と呼ばれる。 きみたちは~と呼ばれる。 |
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Ils s’appellent ~. イルサペル ~. Elles s’appellent ~. エルサペル ~. |
彼らは~と呼ばれる。 彼女らは~と呼ばれる。 |
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動詞 < lever > 『ルヴェ』の現在形が、単数形と三人称複数形ではアクサン・グラーヴ (`) がついて『レーヴ』となることにも注意。一人称複数では『ルヴォン』、二人称複数では『ルヴェ』です。このような現象は、語尾が < アクサンのない e + 子音字ひとつ + er > で終わる動詞の一部で発生します。
また、appeler『アプレ』, jeter『ジュテ』など、語尾が -eler / -eter の大部分の動詞の単数形と三人称複数形では、子音の “l” または “t” をふたつ重ねることで appelle- 『アペル』, jette- 『ジェットゥ』と『ウ』の音が『エ』に変わります。 ※フランス語では、アクサンのない “e” の後に子音ひとつ+母音が続く時『ウ』の音で発音します。子音ふたつが後に続く場合は『エ』の音です。
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代名動詞の使い方 |
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1)再帰的用法代名動詞の人称代名詞 se が「自分を」という直接補語になる場合は上で説明しましたが、「自分に」という間接補語になる場合もあります。(ふつうの人称代名詞では3人称は、直接補語では le, la, les になり、間接補語では lui, leur になるという区別がありますが、se にはそういう区別はなく、直接補語にも間接補語にもなります)したがって代名動詞では、「自分を起こす」→「起きる」となる “se lever” というのがあるのと同時に「自分に・・・を思い出させる」→「・・・を思い出す」となる “se rappeler” というようなものがあります。
この文では、“rappeler”「思い出させる」という動詞が “se rappeler” 「自分に・・・を思い出させる」→「思い出す」となって、“se” が間接補語、“cet événement” が直接補語となります。
上の文では、行為の対象が自分の体で、その帰属を示すために代名動詞が使われています。体の部分の名称は、ふつう所有形容詞ではなく定冠詞をつけます。 |
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2)相互的用法主語が複数のとき(ときに、ばくぜんとした主語をあらわす “on” が複数の意味を含んでいるとき)、代名動詞は「それぞれが自分を(に)」という再帰的な意味にもなりますが、しばしば「お互いを」「お互いに」という意味をもつことがあります。その場合補語代名詞の “se”(あるいは “vous”, “nous” )は、直接補語(「お互いを」)にも間接補語(「お互いに」「お互いの」)にもなります。
※「お互い」という関係をはっきり示すために
「お互いを」というときには “l’un l’autre“,
「お互いに」というときには “l’un à l’autre” と表現することがあります。
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3)受動的用法主語が人間ではなく事物の場合、代名動詞は<受け身>の意味をもちます。そしてこの場合の補語代名詞は直接補語でも間接補語でもありませんが、文法上直接補語として扱います。
受動的用法は、無用な動作主(多くの場合 “on” )を省略し、事物の恒常的性質を表すのに適しています。
また、しばしば可能「・・・できる」または性質「・・・ものだ」を表します。
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4)本来的代名動詞原則として代名動詞としてしか使われないもの(例えば “moquer” という動詞はなく、”se moquer de” 「ばかにする」という代名動詞だけが使われます)と、自動詞または他動詞としても使われる動詞が代名動詞になったときに、上に述べた[再帰], [相互], [受動]の意味にならず、別の意味か特殊なニュアンスが付け加えられるものとに分かれます。なお、本来的代名動詞では補語人称代名詞は直接補語と考えます。 (a) < se + 他動詞 > 代名動詞とそれをつくる他動詞で意味が異なるもの
(b) < se + 自動詞 > 代名動詞とそれをつくる自動詞で意味が異なるもの
(c) つねに “se” を伴う動詞(代名動詞としてしか用いられないもの)
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再帰代名詞の位置文中における再帰代名詞の位置は、補語人称代名詞の位置と同じです。肯定命令文を除いて、“se” は動詞の前に置かれます。ただし、直接補語 (le, la, les)と併用されるときには、その前に置きます。en, y と併用の場合もその前に置きます。 |
白水社 現代フランス広文典